日本における地震の歴史と被害事例:過去の教訓から学ぶ住まいの守り方

読了目安時間は5分です。

日本は世界でも有数の地震大国であり、常に地震のリスクと隣り合わせで生活しています。住まいや財産を守るためには、日本で起きた地震の歴史を正しく理解し、万が一の際の備えを万全にすることが欠かせません。特に地震保険は、被災後の生活再建において極めて重要な役割を果たします。

本記事では、日本における地震の歴史を振り返りながら、発生メカニズムや過去の主要な震災事例、そして現代に求められる防災対策と保険の重要性について詳しく解説します。

目次

1.地震のメカニズム:なぜ日本で地震が頻発するのか
2.日本における地震の発生傾向と特徴
3.日本の地震の歴史:古代から近代までの記録
4.江戸時代に発生した巨大地震とその影響
5.明治・大正期の震災:近代化と地震リスク
6.昭和期の主な地震事例と防災制度の歩み
7.平成期の震災から得られた教訓
8.令和期の近年の地震被害と新たな課題
9.繰り返される地震被害の傾向と損害の種類
10.地震保険の重要性と申請のポイント
11.行政による対策と制度の変遷
12.まとめ:未来の地震リスクに備えるために

地震のメカニズム:なぜ日本で地震が頻発するのか

地震とは、地下にある岩盤(プレート)に蓄積されたひずみが限界に達し、急激にずれ動くことで振動が発生する現象です。日本列島は、北米プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレートという4つのプレートがひしめき合う境界に位置しており、世界で発生するマグニチュード6以上の地震の約2割が日本周辺で起きていると言われています。

地震は大きく分けて、プレートの沈み込み帯で発生する海溝型地震と、陸のプレート内部にある活断層が動く内陸型(直下型)地震の2種類に分類されます。

日本における地震の発生傾向と特徴

日本では年間1,000回を超える有感地震が観測されており、どこで大きな揺れが起きても不思議ではない環境にあります。太平洋沿岸部では巨大な海溝型地震による広域被害や津波が懸念される一方、内陸部では突発的な直下型地震による建物倒壊のリスクが常に存在します。

特に近年の都市部では、人口や資産が集中しているため、一度地震が発生するとライフラインの寸断や帰宅困難者の発生など、被害が複雑化・巨大化する傾向にあります。

日本の地震の歴史:古代から近代までの記録

日本には古来より、地震の被害を伝える古文書や石碑が数多く残されています。奈良時代や平安時代の記録にも、大規模な揺れや地割れ、津波によって多くの命が失われた様子が記されています。

これら過去の地震の記録を読み解くことは、現代の地震学においても、将来発生しうる地震の周期や規模を予測するための重要なデータとなっています。明治時代以降は、地震計による科学的な観測体制が整い、より詳細な統計情報が蓄積されるようになりました。

江戸時代に発生した巨大地震とその影響

江戸時代は、平和な世の中でありながらも度重なる大地震に襲われた時代でした。

  • 慶長地震(1605年):太平洋岸を広範囲に襲った津波地震として知られ、多くの犠牲者を出しました。
  • 安政江戸地震(1855年):江戸の町を直下型地震が襲い、火災も相まって壊滅的な打撃を与えました。

当時の人々は、地震後に描かれた鯰絵(なまずえ)などを通じて被害の記憶を共有し、家屋の補強や火の用心といった防災意識を生活の一部として取り入れていました。

明治・大正期の震災:近代化と地震リスク

日本が近代国家へと歩みを進める中で、都市構造の変化に伴い地震リスクも増大していきました。

  • 明治24年(1891年)濃尾地震:内陸型地震としては日本最大級のマグニチュード8.0を記録。根尾谷断層の出現は地震学の発展に大きく寄与しました。
  • 大正12年(1923年)関東大震災:近代日本における最大の震災であり、火災によって東京・横浜が焼き尽くされました。この悲劇をきっかけに、都市計画や耐震基準の重要性が強く認識されるようになりました。

昭和期の主な地震事例と防災制度の歩み

昭和期には、戦中・戦後の混乱期を含め、多くの甚大な地震に見舞われました。

  • 昭和18年(1943年)鳥取地震:戦時下での発生でしたが、多くの家屋が倒壊しました。
  • 昭和35年(1960年)チリ地震津波:地球の裏側で発生した地震による津波が日本の三陸海岸を襲い、遠地津波の恐ろしさを知らしめました。

これらの経験を経て、昭和36年には災害対策基本法が制定され、国を挙げた防災体制の構築が本格化しました。

平成期の震災から得られた教訓

平成の時代は、私たちに「想定外」の恐怖を突きつけた時代でもありました。

  • 平成7年(1995年)阪神・淡路大震災:大都市を襲った直下型地震。古い耐震基準の建物の脆さが露呈し、耐震補強の重要性が全国に広まりました。
  • 平成23年(2011年)東日本大震災:未曾有の巨大津波と原発事故を伴う複合災害となりました。これ以降、地震保険への加入意識が劇的に高まりました。
  • 平成28年(2016年)熊本地震:震度7が短期間に2回発生するという異例の連続地震で、繰り返し受ける揺れへの対策が課題となりました。

令和期の近年の地震被害と新たな課題

令和に入っても、日本列島の活動は衰える気配がありません。

  • 令和4年(2022年)福島県沖地震:東北地方で最大震度6強を観測。インフラへの影響が長引きました。
  • 令和6年(2024年)能登半島地震:元日に発生したこの地震では、家屋の倒壊、大規模火災、地殻変動、断水など、半島特有の孤立化リスクが浮き彫りになりました。

これらの事例は、最新の耐震基準を満たしていても、地盤の状態や揺れの性質によっては深刻なダメージを受ける可能性があることを示しています。

繰り返される地震被害の傾向と損害の種類

地震による被害は、直接的な破壊から二次的な損失まで多岐にわたります。

  1. 建物の損壊:基礎のひび割れ、壁の亀裂、屋根のズレ、地盤沈下による建物の傾き。
  2. 津波・火災:揺れから免れても、その後の津波や火災によってすべてを失うリスク。
  3. 家財の破損:家具の転倒、家電製品の落下、高価な装飾品の破損。
  4. ライフライン停止:電気、ガス、水道の寸断による生活基盤の喪失。

特に建物の基礎や外壁に生じる微細なひび割れは、生活には支障がなくても、放置すると建物の寿命を縮める原因となります。

地震保険の重要性と申請のポイント

地震による損害は、通常の火災保険だけでは補償されません。必ず「地震保険」をセットで契約しておく必要があります。地震保険は、建物の損害の程度(全損・大半損・小半損・一部損)に応じて保険金が支払われる仕組みです。

地震後の被害調査では、建物の主要構造部(基礎、柱、壁、屋根など)の損傷を確認します。一見すると被害がないように見えても、プロの目で確認すると「一部損」に該当する損傷が見つかるケースが多々あります。過去の地震で建物に異変を感じている場合は、一度専門家に相談することが賢明です。

行政による対策と制度の変遷

過去の地震による教訓を反映し、建築基準法は何度も改正されてきました。特に1981年(昭和56年)以降の「新耐震基準」や、2000年のさらなる改正は、建物の安全性を大きく向上させました。

また、行政は緊急地震速報の高度化やハザードマップの整備を進めていますが、公助(行政の支援)には限界があります。自助(自分での備え)と共助(地域での助け合い)をいかに組み合わせるかが、今後の防災の鍵となります。

まとめ:未来の地震リスクに備えるために

日本における地震の歴史を辿ると、いつ、どこで巨大地震が起きてもおかしくないことがわかります。過去の事例を「他山の石」とするのではなく、自分自身の住まいや生活を守るための具体的なアクションに繋げることが大切です。

建物の耐震性能を確認すること、備蓄を整えること、そして地震保険の補償内容を見直すこと。これらの一つひとつの積み重ねが、あなたの大切な財産を守る力になります。



ミエルモでは、火災保険・地震保険の申請において、個人では難しい専門的な書類作成をサポートいたします。ご自身の加入状況を確認したい場合や、保険金申請の手続きでお困りの際は、まずはお気軽にご相談ください。


執筆者:ファイナンシャルプランナー 信太 明
掲載日:2025/10/7