火災保険で家の傾きは直せる?補償される条件と申請のポイントを徹底解説

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「床に置いたビー玉が転がる」「ドアや窓の建付けが悪くなった」といった家の傾きは、住人の健康や建物の資産価値に直結する深刻な問題です。家の傾きを修正する工事は非常に高額になるケースが多く、火災保険でその費用をまかなえないかと考えている方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、火災保険 家の傾きが補償されるかどうかは、その「原因」によって決まります。本記事では、どのようなケースであれば保険金が支払われるのか、また逆に補償対象外となってしまうのはどのような場合か、専門的な視点から詳しく解説します。
目次
1.火災保険の基本:建物補償と構造の歪み
2.火災保険で家の傾きが補償される3つの必須要件
3.補償の対象となる具体的なケースと対象外の事例
4.地震や地盤沈下による傾きへの備え
5.保険金請求をスムーズに進めるための注意点
6.まとめ:家の傾きを感じたら早めの点検を
火災保険の基本:建物補償と構造の歪み
火災保険は主に「建物」と「家財」の2つの対象に分かれています。家の傾きは柱や基礎といった建物そのものの損害にあたるため、契約内容に「建物補償」が含まれていることが大前提です。
建物補償の対象には、柱や屋根、基礎といった構造体のほか、内装の床材や壁紙、建物に固定された給排水設備なども含まれます。家の傾きによってこれらの箇所に二次的な被害(壁の亀裂や排水不良など)が生じている場合も、原因が火災保険の補償対象内であれば、一括して修理費用の申請が可能です。
火災保険で家の傾きが補償される3つの必須要件
火災保険で家の傾きによる補償が認められるためには、主に以下の3つの条件をすべて満たしている必要があります。
- 建物補償を契約していること
賃貸などで家財保険のみに加入している場合は、建物の傾きは補償されません。 - 原因が火災保険の対象事故であること
火災、落雷、爆発、風災(台風など)、雪災、物体の落下といった、保険証券に記載されている事故が原因である必要があります。 - 偶然かつ突発的な事故であること
ある日突然発生した予測不能な事故による損害であることが求められます。時間の経過とともに少しずつ傾いたようなケースは対象外となる可能性が高まります。
補償の対象となる具体的なケースと対象外の事例
家の傾きが発生した背景によって、保険の適用可否は大きく分かれます。
補償される可能性がある主なケース
- 風災による損害: 台風などの強風によって飛来物が建物に激突し、その衝撃で構造が歪んで家が傾いた場合。
- 落雷による衝撃: 建物への落雷による衝撃で基礎部分が大きく損壊し、結果として傾きが生じた場合。
- 爆発事故: 近隣での爆発や給湯器の破裂などにより、建物が物理的な損傷を受けて傾いた場合。
補償されない主なケース
- 地盤沈下・不同沈下: 地盤の緩みや周辺環境の変化によって徐々に沈んでいった場合は、通常の火災保険では補償されません。
- 経年劣化・施工不良: 建物の老朽化や、建築時のミスが原因の傾きは対象外です。
- 地震による傾き: 地震が原因で家が傾いた場合は、火災保険ではなく「地震保険」の対象となります。
- 故意による損害: 故意または重大な不注意によって建物にダメージを与えた場合。
地震や地盤沈下による傾きへの備え
日本で発生する家の傾きの原因として非常に多いのが、地震と地盤沈下です。
地震によって基礎が沈んだり建物が歪んだりした場合は、火災保険の補償範囲ではなく、地震保険から保険金が支払われます。また、地震以外の理由で地盤が沈むケースに備えるには、建築時に加入する「地盤保証制度」などが重要になります。自分の家がどのような保険・保証で守られているか、今一度セットで確認しておくことが大切です。
保険金請求をスムーズに進めるための注意点
家の傾きで保険金を申請する際は、原因の特定が非常にシビアに審査されます。
- 原因調査の実施: なぜ傾いたのかを証明するために、専門業者による建物診断書や修理見積書が必要になります。
- 写真・動画での記録: 傾き計を使った数値の記録や、壁の亀裂、ドアが閉まらない様子などを詳細に撮影しておきましょう。
- 事故発生日の特定: 「いつ、どの災害で傾いたのか」を明確にすることが、保険金受給の鍵となります。
- 免責金額の確認: 自己負担額(免責金額)が設定されている場合、修理費用がその金額を上回る必要があります。
まとめ:家の傾きを感じたら早めの点検を
家の傾きは、放置すると構造の悪化を招くだけでなく、めまいや吐き気といった健康被害を引き起こすこともあります。火災保険が適用されるかどうかは原因によりますが、台風などの自然災害がきっかけであれば、高額な修理費用を保険金でまかなえる可能性があります。
原因の判断や保険会社への説明は、専門的な知識が必要な分野です。もし家の傾きに不安を感じているのであれば、まずは現状を正しく把握するために点検を行うことから始めましょう。
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執筆者:ファイナンシャルプランナー 信太 明
掲載日:2025/10/23